弊所では、産業廃棄物収集運搬業の普通産業廃棄物、特別管理産業廃棄物の新規申請、更新申請をはじめ様々なお仕事を取り扱わせて頂いております。お尋ねの多い、分かっているようで分かりにくい、小さな疑問についてまとめてみました。

まる
まる

まるです。
アクア法務事務所のお手伝いをしています。

積み保って聞いたことあるけど、難しいのかな~
一緒に見ていこうね~


1 「積替え保管」って何?

産業廃棄物収集運搬業許可をお持ちの業者様、「積み替え保管」をご存じでしょうか?

「ツミカエホカン」略して「つみほ」とも言います。


「積替え保管」場所とは、簡単に言うと収集運搬業者様が廃棄物の排出先から処分場まで運ぶ間のどこかで、一度積み荷を降ろすことが出来る場所のことです。

もちろん、積み荷を降ろすには許可が必要です。

これが「積替え保管」という許可です。


2 取得のメリットは?


では、この積替え保管の許可をもっていると、どんなメリットがあるのでしょうか?


ズバリ、積み荷を一定の場所で降ろせることでしょう。

降ろすことが出来るということは、そこで選別して同じ種類の廃棄物を溜めておき、一定数量が溜まったら処分場(処理施設)へ運搬するということができるので、コスト削減のメリットがあります。積替え保管の許可がない場合は、途中で荷を降ろすことが出来ないため、排出先から処分先までノンストップで運ぶしかありません。1台のトラックにまだまだ余裕があったとしても、積み込んだらそのまま処分先へ運ぶことになるので、ロスが大きいと言えます。

もう一つのメリットは、荷を降ろしたところで、有価物と無価物に選別して、有価物を抜き出して売却することができます。


3 取得のデメリットは?


では、逆にデメリットは何でしょうか?

デメリットというと、収集運搬業許可を持っていることは大前提ですが、運搬業許可に加えて積替え保管の許可も取得する必要があります。もちろん許可取得には、コストも時間も必要になります。

4 必要となる条件は?


積替え保管の許可を取るにはどのような条件があるのでしょうか? 

誰もが積替え保管の許可を取れるというものではなく、まずは積替え保管施設という場所を用意する必要があります。

この積替え保管施設となる場所には制限があります。
どこにでも保管施設を作れるわけではなく、土地に対する制限(規制)をクリアする必要があります。

まずは、都市計画区域といって、地域は大きく市街化調整区域と市街化区域に分かれています。
市街化調整区域とは、市街化を抑制するための基準で、この区域にある土地には、原則、積替え保管施設を設置することはできません。

次に、用途地域という制限もあります。
用途地域とは、建築物の用途によりどの地域には何を建てても良いというのがあらかじめ決められています。
原則、「工業地域」または「工業専用地域、準工業地域」内である必要があります。
もちろん、この地域内であれば100%OKというものではなく、周辺状況にもよりますのであらかじめ確認しておく必要があります。


さらに、敷地内に建物を建設する場合には、接道義務(公道に接していること)などを充たしているかも確認が必要です。


これらをクリアしていれば、積替え保管施設を設置することはほぼ可能と言えるかと思いますが、そもそも積替え保管施設の設置を認められていない自治体もありますので、十分な確認が必要です。

ちなみに姫路市内で上記の基準を充たしていれば土地の条件は満たしていることになりますので、取得可能です。

他に必要となる条件については、積替え保管をする品目にもよりますが、必要となるのが

・保管場所の周囲に囲いを設ける

・看板を設置する

・害虫発生防止措置

・汚水のための排水溝等を設置し、床面を不浸透性の材料で覆う

・屋外では高さ制限を超えない

・産業廃棄物が飛散、流出、地下浸透、悪臭発散が生じないようにする

などになります。


その他には、

・積替後の運搬先が決まっていること

・搬入された廃棄物量が適切に保管できる量であること

・搬入された廃棄物の性状に変化が生じないうちに搬出すること

・積替保管量の上限は平均搬出量の7日分を超えないこと

などが必要になります。


4 積替え保管に該当しない場合とは?


次のような場合には、積替え保管には該当しませんので念のため。

・収集運搬の途中で運転手さんが駐車場で休憩している場合

・運搬の途中に事務所で運転手さんが交代した場合

・処分場が開くまで車を止めて待機している場合


積替え保管施設にご興味がおありの方、一度、候補場所の都市計画法、用途制限の確認など、難しいな~と思われる方は、確認させていただきますので、お気軽にご連絡くださいませ。

ここで一息🐾

まる
まる

続いて、「産業廃棄物保管届」と「産業廃棄物事業場外保管届」についてです。


皆様、産廃保管届をご存じですか?

建設業者さんが解体工事を行われると解体物がでます。

解体物は通常、解体現場から産廃処分場へ直接、運びます。
それでも、現場に残ってしまったものや、産廃処分場の入場時間に間に合わないという場合もあります。トラックの手配や人員の都合がつかない場合もあるでしょう。

ご存じの通り、産廃の収集運搬業の許可は、積替え保管の許可を持っていない限り、現場から処分場へ直行する必要があり、どこかで積み荷を下ろすということができません。

したがって、トラックなどの運搬車両の手配や、人員にロスが生じてしまうことがあります。
そこで、これらの不便を解消すべく一端、自社の事業場内に下ろすことが許されるのが産廃保管届なのです。元請業者に限るというのは、解体物が自社物であるということからくる産廃上の例外の根拠ですね。

そこで、産廃保管届と産廃事業場外保管届の違いですが、保管届は廃棄物処理法(廃掃法)上の届出で、事業場外保管届は条例上の届出なのです。同じものが対象ですが、微妙に条件が違うので、1件で2つ出すということになります。
簡単なところでいうと、廃掃法上は300㎡以上の広さが対象で、条例上は100㎡以上の場合が対象です。

また、廃掃法上は、建設業のみが対象ですが、条例上は排出事業者自らが排出する全ての産業廃棄物が対象となります。

この申請は、届出なので許可ほど難しいというものではありません。積替え保管や中間処理施設に比べても基準は緩やかでした。
もっとも、あくまで例外的に認められるものなので、制限は多々あります。

業務の効率性から必要な場合は届出をしておきましょう。


ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。


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産業廃棄物収集運搬業の許可申請(新規、更新)手続きを承っております。
お気軽にお問合せ下さいませ。

         業務内容 申請手数料      報酬(税別)
産業廃棄物収集運搬業 新規許可申請 (普通) 81,000円     98,000円        
      同  (特別管理)      81,000円     118,000円
産業廃棄物収集運搬業 更新申請(普通・特別管理) 73,000円     48,600円
変更届  なし    各10,000円
変更許可申請(品目追加) 71,000円     60,000円
積み替え保管  ご相談後お見積り
産廃保管届(廃掃法)
産廃事業場外保管届(条例)
  なし     60,000円~